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中島平太郎賞
CD-Rの正しい取扱い方
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発表内容について / 井橋孝夫幹事会議長
 
井橋孝夫幹事会議長 写真 私は、ソニーで永く光ディスクの開発に携わり、中島会長の下でCDの開発、その他、いろいろな光ディスクの開発に取り組んで参りました。現在、私はスタート・ラボの社長をさせていただいておりますが、一方でCDs21ソリューションズの幹事会議長を拝命しております。
 今日はCD-Rが100億枚を突破したことについてお話をしますが、その前にこのCDs21ソリューションズという団体がなぜ存在し、活動をしているのかについて、触れたいと思います。

<マルチメディアとCDs21ソリューションズ>
 中島会長の御挨拶の中にもありましたが、十数年前、CD-ROMの規格が発表され、コンピューターに使われる時代がありました。その頃、よく使われ、よく耳にした言葉が「マルチメディア」です。当時、その代表的なメディアがCD-ROMで、その作製には大変な時間とコストがかかり、「これをなんとかできないか」ということでCD-ROMと互換性のとれるCD-Rが生まれたわけです。

 当時、CD-ROMは1枚作製するのに最新鋭のコンピューターを使って大変な時間とコストをかけていました。私どもも「どうなることか」と心配しつつ、そういうシステムをアメリカ等に売った記憶がございます。けれども、CD-Rができたおかげで、コンピューターで作った貴重なデータから簡便にCD-ROMがつくれるようになり、その意味で”R”は”ROM”の普及に大変役に立ったと言えると思います。

 そのROMを日本で普及させるためのコンソシアムとして、マルチメディアCDコンソシアムが1991年から活動しておりました。もう1つ、1996年頃よりCDの互換性及び普及促進を目的としたオレンジフォーラムという団体がありました。「オレンジフォーラム」という名称は規格書の”オレンジブック”に因んだものです。

 両団体とも同じCDの規格を扱い、ハードウェア、ソフトウェア、その普及促進に努めることを目的としておりましたので、2001年に統合し、「CDs21ソリューションズ」という新しい名前を冠し、中島会長をトップに戴いて今日に到っております。

 今年4月現在、会員数は68社(国内47社/海外21社)。CD-Rに関連するほとんどのメーカー、そしてCD-Rを使われているソフトウェアハウスが名を連ねております。
 海外では台湾15社、韓国3社、中国、インド、ドイツ、スイス、オランダ、ギリシャ、アメリカ等、21社が参加し、CD-Rの普及促進に努めています。

 組織は中島会長の下に幹事会があり、その下でCommunication Committee、Study Committee、Technical Committee等のグループが活動しています。そしてその下の各ワーキンググループで、種々、研究会を開いて規格等についての検討、提言等をしています。

 今年、新たにExpansion Working Group(EWG)を設けました。これはCD-Rのアプリケーションがどんどん拡がっていますので、その辺について提言及び研究をしようという目的で新設されました。

 このように、CDs21ソリューションズは、主にCD-R/RWの普及促進で全世界的に中心的活動をしている団体です。活動内容は、主にCD-R/Wの互換性をどのようにしてとるかを主目的に、技術的検討を行い、その結果を規格書の中に反映する等の提言をしております。

 一方新しいオプティカルカードの推奨規格の提言、CD-R/Wの寿命テストをして、その結果や環境条件の報告、又、メディアの正しい使い方を推奨するなどの活動の他、広報、出版等の様々な活動を積極的に行っております。
 昨今はCD-R/RWのアプリケーションのソフトウェアの開発の推進にも目を向け、互換性がとれる形を提言できるようにしていきたいと考えております。

 現在、"100億枚"ものCD-Rが生産されておりますので、環境の問題も大きな課題です。勉強会を行い、今後、どう対処していけばよいのか、その検討も行ってゆきます。

 また、CD-R/RWの発展形について我々はどう提言していくべきか、その研究開発も行っています。

<CD-Rの生産量100億枚>
 さて我々はこの「100億枚」という数字をどう推定したのかについてお話いたします。

  一口に"100億枚"と言いましても、CDは1.2mmの厚さがありますので1.2mm×100億=1万2,000km。即ち100億枚のCDを重ねて並べると1万2,000kmになるわけです。この長さは地球の直径に匹敵します。これほど膨大な数のCD-Rが昨年一年間でつくられました。この事実に私どもも、正直、驚嘆しております。

 CD-Rの全世界の生産量を100%とすると、つくられている割合はアジアが89%、ヨーロッパが9%、アメリカが2%です。アジアの生産数は約92億5,000万枚と推定されます。
 ヨーロッパが約9.4億枚、アメリカが、これは特にメキシコですが、2.1億枚。ヨーロッパは西ヨーロッパが主な生産地になっています。最多のアジアは日本が約8%、一番多いのは台湾で約52%。昨今はインドがCD-Rの生産基地として躍進しております。
 台湾については、今、CD-Rの生産基地が徐々に中国にシフトしていますが、統計上、中国は別にしておりますので,ダブルカウントはしておりません。全部を積算するとほぼ100億枚を超えていると我々は推定したわけです。

 この「100億枚」という数字は「記録メディアとして人類史上最高の数を達成した」という意味で、エポックメーキングなことと捉えることができると思います。オーディオカセットは1993年から見ていきますと一番生産された時期で50億巻。フロッピーも年間ほぼ20億枚で推移しています。CD-Rは1996年、1997年からカーブが急速に上がり出し、そのまま上昇を続け、ついに100億枚に到達しました。

 中島会長が大変苦労をされた1989年から1990年代前半にかけては、日本では特にゲームのソフト製作等にたくさん使われ、CD-Rがなければ今の日本の一つの文化であるゲーム文化はなかなか離陸できなかったのではないかと思います。とにかくゲーム用のROMを作るに当たっては”R”がなければまったく身動きがとれませんでした。アメリカでも同様でコンピューターのソフト用のROM開発にCD-Rは多く使われ、大変貢献しました。
 そのあたりから”R”が徐々に使われ出して ”100億枚”達成を後押ししたのではないかと思っております。

<100億枚の調査>
 次に、私どもが"100億枚"と推定したその方法についてお話します。

 一つは、CDs21ソリューションズ会員へのアンケート、ヒアリングの実施です。
 当団体には世界の主要CD-Rメーカーが参加しており、会員各社のマーケティング部門の独自調査の結果を知らせていただいて計算をした結果、約104億枚という数字が弾き出たわけです。

 一方、CDs21ソリューションズとして独自に複数の世界的に有名な調査会社に依頼し、相応の費用をかけて調査を行いました。また日本記録メディア工業会のような公的機関の報告書も参考にしました。各調査結果は多少ばらつきがあり、一部、「140億枚を超えた」という報告もございましたけれども、大体、80億枚から110億枚、120億枚の数が出ております。

 以上のことから、私どもは2003年度のCD-Rの世界総生産量は100億枚を突破したと推定するに到ったわけです。今までの累積では300億枚〜350億枚になってしまいます。そうしますと、1.2mm×300億=3万6,000km。これはほぼ地球一周(4万km)に相当します。
  これまでそのぐらいの量のCD-Rが生産され、そして今年、ついに単年で100億枚に到達したわけです。これはやはり記念すべきことではないかと思います。

<CD-Rはなぜこれほど使われるようになったのか?>
 ところで、CD-Rはなぜこれほど使われるようになったのでしょうか? 

  まず各メディアメーカーの方々、ドライブメーカーの方々の絶え間の無い血の滲むような努力があったことを申し上げたいと思います。このことはいくら強調してもしすぎることはく、特に互換性は重要でした。CDは世界共通のフォーマットで互換性がとれます。その互換性に対して「必ず互換性をとるのだ!」という強い決意の下、関係各位がそのための努力を弛まず積み重ねてきたわけです。
 地道なRound Robin Testを行い、問題は1つもないがしろにせず、徹底的に究明し、その結果を規格に反映する。こうして今の互換性が実現されたわけです。
 Windows下でも、Mac下でも、Unix下でもデータのやりとりができる状況をつくられたことが、CD-R普及の1つの大きなポイントであったことは間違いありません。

 もう1つ、CD-RそのものはWrite Onceのメディアですから、一度しか書き込めません。今までは一度しか書き込めないメディアはあくまで脇役で、記録ができ、その記録を消去できる記録型メディアが主役でした。しかし、値段がある程度になればWrite Onceメディアはたくさん使っていただけることが分かりました。
  PCの普及とともに使用量が増え、メディアの供給量も急速に増加し、ユーザーに満足して頂けるようになったわけで、これはひとえに各メーカーの努力の賜物です。

 先ほど、中島会長が言われた「bit単価」も重要な事柄です。
  1.4MBのフロッピーに換算すると、約400枚以上のデータがCD-R1枚に記録することができ、bitあたりの単価も大変廉価です。この点も1つの大きな要因ではないかと考えております。

 一方、使い勝手については、CD-Rは74分のデータの記録・再生がいろいろなスピードで可能になったことです。1994年ぐらいから高速化の方向が出てまいりまして、2倍速、4倍速、そして現在はドライブもメディアもほとんどの高速化に対応しておりますし、48倍速まで規格化されています。

 昨今、DVD-R、DVDに書けるドライブもたくさん出ておりますが、それらは基本的にCD-Rの記録・再生も標準搭載しておりますので、ドライブが増えれば増えるだけ、CD-Rのインフラも充実していく。そうご理解いただいて構わないと思います。

 それからさまざまな環境の変化も看過できないことだと思います。特に対応ドライブの急速な普及は非常に大きなことでした。PCの急速な普及に伴い、特にドライブは年間約1億1,000万台、あるいは1億2,000万台もの、大変な数がつくられています。ほとんどのPCに内蔵されているという意味でも、そこに互換性がとれるメディアはこれしかないわけです。
  CD-Rはあらゆるところで使われていることは皆さんが目にしていることでしょうが、昨今、例えばイラク戦争の情報のやりとりもCD-Rが基本になっています。「ネットで配るより安全だ」等々、いろいろな利点があって、CD-Rが使われているわけです。

<CD-Rの使用用途の拡大>
 一方、その使用用途も拡大しており、コンスーマーの分野でもCD-Rで使われるようになってきました。特にデジタルカメラの画像を取り込むのにちょうど良い大きさ、手ごろな値段ということで大量に使用されていますし、CD-Rは配付するメディアとしても大きな需要がございます。個人で楽しむ音楽も当然のことながら、PCのデータの保存、それの配付等にも活用されております。

 デジタルデータのアーカイブという意味では、地図、医療情報等々、重要なデータの保存に広範に使用され、アーカイブの世界では大変なニーズがございます。特に「書き換えられない」という点がアーカイブの世界で歓迎される大きな利点であると思います。

 また、欧米を中心に公的機関での電子ファイルとして、文書の提出等に使われ始めております。日本でも国土交通省が建築データのCD-R化を推奨しており、今後、公的機関での記録メディアとしてCD-Rの利用はますます増えてくると思います。こうした用途の拡大も1つ重要な要素であったと考えております。

 今日は皆様方に、この"100億枚"という数字を通して「CD-Rが史上最大のメディアに成長した」ことをご認識いただければありがたいと思っております。
 特に追記型、即ち「書き換えられない」というユーザーのニーズを掘り起こせたことは大変重要なことです。使用されている光ディスクは、9割近くが”R”のメディアです。書き換えられるメディアは一割にも満たない数が利用されているに過ぎません。
 そういう意味で、光ディスクの中で初めて追記型の記録メディアのビジネスが成功したもので、この”100億枚”は私どもにとっても1つの目標をクリアできた金字塔と言えるわけです。 私どもは書き換え中心型の記録メディアの文化から”追記記録型、即ちR型”への文化革命が起ったと認識しており、”100億枚”という数と共に書き換えられないディスクの文化が、ユーザーにも受け入れられたと考えております。そしてこれからも地球規模で”Rを使う文化”が拡大して行くものと考えています。

 今後とも、私ども、CDs21ソリューションズは”R”文化への果敢な挑戦をして参りたいと思っています。
 以上、"100億枚"をどう推定したか、また、その背景についてお話を申し上げました。ありがとうございました。
 
(注): 2004年5月10日(都市センターホテル)
CD-R 2003年の世界総生産量100億枚突破の記者発表会において
CDs21ソリューションズ 井橋孝夫幹事会議長のスピーチを収録
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