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中島平太郎賞
CD-Rの正しい取扱い方

中島平太郎会長のあいさつ
 
 この12月7日(2002年)、イラクは核問題の報告書(文書60冊/1万頁)を12枚のCDで提出しました。テレビ、新聞等でそのCDの写真を仔細に見ますと「CD-R80」と書いてあります。

 国際情勢が険悪化する中、こういうものがイラクで作られたことが印象的です。どこのCD-Rかは特定できませんが多分、値段の高い高品質のCD-R が採用されたと思います。

 このイラクのCDを見て、私は皆様方と一緒にCD-Rを育ててきた者として大変嬉しく、また今後、国際的な場面にCDが登場することを考えると、もっと品質を上げる必要があるのではないかと思いました。

 12月10日の朝日新聞に「音源を守るレコード各社、テープ数万本をデータベース化、再生不能を防止」という記事が載りました。記録テープがそろそろ限界に来ており、テープをCD-R等に移し換えることがシリアスな問題になっています。アーカイブの移し換えは1日20本が限界。テープを一旦ハードディスクに移し、必要なチェック後、CD-R等に移し換えるという手の込んだ作業が行われています。

 CDs21の皆様方が関心を持って取り組めば、事はもっとスムーズに運ぶと思いますが、こうしたことを企図しているのは大手レコード会社だけではありません。テープを繁用する放送局では昭和30年ぐらいからの音楽・映像のアーカイブが信頼性の問題もあってテープでは間に合わなくなり、CD-R、DVD-Rの出番が来ています。

<CD-Rの品質>

 次にやや不快なお話ですが、私の知人の息子さんが秋葉原で買った10枚300円のCD-Rを使ったところ、コピーの状態が悪く、あるものは使用不能、あるものはノイズが出て大変困ったそうです。このお話を聞いて私はこう考えざるを得ませんでした。「今のCD-Rの状況がこのままでいいのだろうか? 枚数を多少制限しても、もっと高品質のCD-Rを目指すべきなのではないだろうか?」。

 それにはメディアとライター両方にいろいろとお願いすることが出てきますが、私は皆様方と一緒にCD-Rの新しい姿を考えてみたいと思っております。そうすることでCD-Rの延命が図れ、ビジネスの可能性も拡がるのではないか。CD-R、DVD-Rの手ごろな容量を念頭に置いて両者を上手に利用していけば、我々のビジネスは新しい橋頭堡を手にすることができるのではないでしょうか。
 
<蓄音機からデジタルへ、CD発売20周年>
 CDはこの12月6日(2002年)で発売されて20年になります。20年間、1つのメディアが生き抜いてきたわけです。よく言われる「25年説」によれば、初めの機械蓄音機が25年、電気蓄音機が25年、ステレオが25年。そして今、デジタルは20年。
「25年説」を信じれば、あと5年は保つ勘定です。この20年、CDは確かに1つの時代を画したと私は思います。

 今日はCDの20周年記念ということで、まずCDの特徴を挙げ、次にオーディオの現状に触れてみたいと思います。CDの特徴は何か。大きい、重い、コストが高い、信頼性が良くない、使い勝手が悪い。良いのは音だけ。初期のデジタルオーディオはこのようなものでした。CDは見事にこれらの問題を解決し、世の中に迎え入れられました。

 デジタル化のメリットを集約すると、まず「高い音質」。これによって悪い音が駆逐されました。そして「利便性(操作性、クイックアクセス、携帯性)の向上」。非接触でディスクの内面に信号が記録されることで非常に信頼性が増し、小型化、低価格化がオーディオ人口の増加を促しました。

 もう1つは「多機能化」。我々のビジネスに関係が深いデータ、CD-ROM、DVD-ROM。画像はビデオCDからDVDに移行し、現在、大きなマーケットに育っています。ビデオCDの繁栄の陰にはCD-Rがあります。CD-Rはソフト制作を支えました。
 私はこのことを大いに宣伝しております。これまで十数年間、CD-Rを手がけてきて肩身の狭い思いをされた方々の為にそうしております。CD-Rで褒められたのは浜田さん(注*)ぐらいで、他に褒められた人はいないのではないでしょうか。(会場、笑い)
CDの20年間を考えると、メディアではCDが270億枚、CD-ROMが70億枚。CD-Rは300億枚ぐらいでしょうか。

 オーディオの世界の現状に移ります。演題は「明るい未来に向けて」。実を申しますと、当初のタイトルは「オーディオの現状 夢は遠のく」でした。しかし、「これでは余りに芸がない。『明るい未来に向けて』にして欲しい」との要請があり、『明るい未来に向けて』にしました。

 1つは圧縮オーディオが非常に多くなったこと。もう1つは「著作権者の苦悩」ということでコピーコントロールの問題。この2つが大きな話題ではないかと思います。圧縮オーディオはそこそこの音質が得られていますが、パソコンやネットオーディオでは機能優先で音が軽視される傾きがあります。

 テレビの音は、昔はBSでもBモード、AモードでCDを凌ぐ転送レートの音が出ていました。けれども今はハイビジョンに到るまで、どことなく音の質が悪い。圧縮オーディオそのものになってしまっている。テレビの音はどこか物足りない感じがします。

 もちろん、今のテレビ放送は中身が稀薄ですから、音付きの絵もこれで別に構わないとは思いますが、バレエ、ミュージカル、オペラのような特殊なものは絵付きの音をもっと高音質にすべきではないかと思います。
 
<著作権者の苦悩、あたらしい工夫>
 次に「著作権者の苦悩」ということですが、前々から「ネットオーディオとCD-Rが諸悪の根源である」と言われてきました。私は「CD-RこそCD-ROMの1つの大きなウエートだ」と申し上げておりますが、著作権者の問題になるとCD-Rは途端に悪者扱いをされ、「ネットオーディオとCD-R。この2匹の悪魔のためにレコード業界は悲惨な目に遭っている」という声が聞かれます。今のオーディオの現状を語る上でこれは避けて通れない問題です。

 対策として、例えばコピーコントロールCDあるいは複製防止機能付CD、そういうRed Bookに馴染まないディスクが出回っていて、レコード業界がそれを容認するような話も聞こえてきております。Red Book、Yellow Bookに基づいて育ててきたCD-Rですが、その発展を考えると、やはり我々もセキュアなディスクの導入を考えざるを得ない。これまでCDプレーヤは12億台、CD-R、DVD-Rのプレーヤは15億台出ております。これらにかかるセキュアなディスクの導入を考えなければならない。これに関してはソニーさん、フィリップスさんに一肌脱いでいただきたいと思います。

 同じものを片方は野放し、片方はスクランブルをかけてセキュアにする。ユーザーは野放しの方がいいに決まっています。これをどう解決していくか。セキュアなディスクにするなら、ユーザーメリットも考えなければいけない。そうすれば存在価値の高い新しいオーディオマーケットが生まれるのではないか。CD-Rを手がける我々はこのユーザーメリットを熟考する必要があると思います。

 その1つとして新しい工夫をしてみてはどうだろうか。例えばCD-Rで3曲しか入らないプリペイドディスクのようなものができないだろうか。そういうことも合わせて、この業界で考えてみてはどうかと思うわけです。あるいはBモードを凌ぐ高品質放送をやってみるのもいいかもしれない。12月6日はエジソンが蝋管で記録再生に初めて成功した「音の日」(注**)です。この「音の日」をもっと大々的にアピールして、バレンタインのチョコレートに相当するようなカード型のCD-Rを出してみてはどうか。そうすればオーディオ界も活性化するのではないだろうか。私は皆様方と共にそういう新しい工夫を考えていきたいと思っています。

 何と言っても重要なのは魅力あるソフトを出すことです。この3年間、CDの売上は5%ずつ下がっていましたが、この9月だけは十数%上昇しております。なぜか? 
ミリオンセラーと言って、100万枚以上売れたディスクが3つあったのです。たかだか3つではありますが、そのおかげでCDが十何%も伸びたわけです。

 そうしますと、別にセキュアなディスクなどの工夫をしなくても、レコード制作会社が頑張り、感動を伴うすばらしいソフトを作ってくれさえすれば、十分、間に合うのではないか。私は半ば本気でそんなことも考えます。

 そういうことで、CD-Rももっと工夫を重ねていけば、もっと楽しく有意義なメディアに育っていくのではないだろうか。来年はそういうことにもう少し身を入れてやっていきたいと思います。そうすればCDs21 ソリューションズももっと盛況になっていくでしょう。ありがとうございました。
 
注*)[浜田さん]: 浜田恵美子さん(Dr.E.Hamada,太陽誘電株式会社
注**)[音の日]: 社団法人日本オーディオ協会(JAS)が"エジソン(米)"にちなんで12月6日を「音の日」と呼び、隔年でJASコンファレンスを開催している。
中島会長は昨年まで同協会の会長を務められた。
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