これからのCD-Rの新技術
 それではこれから、CD-Rメディアにはどういう技術が注ぎ込まれ、どのような機能や性能が実現されていくのでしょうか。

 エンドユーザにとって、おそらくいちばんの関心事は書き込み速度の高速化ではないでしょうか。

 現在の最速書き込みは8倍速。前・後処理などオーバーヘッドを除いた書き込み時間だけだと、74分のデータを10分足らずで書き込んでしまうのですから非常に高速です(ただし、メディアが8倍速に対応していないと、自動的に書き込み速度が下がって記録されたりときには記録できなかったりするケースもあります。全メディアが8倍速対応とは限りません)。しかしその分、メディアとドライブには、きわめて難度の高い技術が要求されてきます。

 それだけに、本項ではいつの時点で書き込み速度が何倍速になるのか、といった説明はしかねますが、一般論としてCD-Rにおける高速化への対応技術というのは、メディアの高感度化と機械精度、この二つがポイントになります。

 メディアの高感度化は、単に光に対する色素の応答性を速めればいい、というわけではありません。応答性を速くしただけでは記録されたマークが不安定になり、あまり感度を上げすぎると今度はディスクの記録膜が壊れやすくなります。

 それに、高速化とは、信号を書き込んだらいままで以上に速くつぎの記録に移るということですから、その分、以前に書き込んだ部分と新しい書き込みの部分とが干渉しやすくなる――つまり、メディアの熱の管理が幾何級数的にむずかしくなるわけで、記録されたピットの形状が変わってしまえば波形ひずみとなり、ひずみの度合いが著しいと最悪の場合、記録すらできない可能性もあります。

 この問題にどう取り組んでいくのか。

 結局、8倍速以上の高速記録とは、メディアだけでなく、ドライブ側のライトストラテジも含め、すべての技術を総動員しなければ実現できるものではありません。かつての2倍速から4倍速への移行の際がそうでしたし、8倍速はいままさに“総動員”のただ中にあるのです。

 さて、一方の機械精度については、ドライブの回転数から見てみるといまの段階でも驚異的であることが理解されるはずです。

 現行の8倍速CD-Rドライブの回転数は、最内周で約4800回転です。3.5インチMOの最速ですら4500回転程度ですから、CD-RはすでにMOを上回る回転数で記録をしているということになります。

 このレベルでCD-Rが驚異的である、というのではありません。MO の場合、最初からリライタブルとして規格されており、そのために、ハブを設けて高いチャッキング(ディスクとクランパとの固定)が得られるようになっているのですが、ところがCD(-R)は、当初、等速での再生しか想定されていませんでしたから、メカニカルチャッキングといって、もともとあまり高い精度が得られないようなチャッキングの構造になっています。

 こういうメカニズムで、なおかつMOよりも大型のディスクでありながら、MOを上回る回転数でミクロン領域の記録を達成していることこそが「驚異的」であり、これがCD-Rなのです。

 CD-Rの記録速度はやがて、メディアとドライブ双方の努力の積み重ねで12倍速や16倍速になっていくのでしょうが、現在の8倍速ですら、いま説明したように技術的に見て「驚異」なのですから、現行のCD-ROMドライブが32倍速を超えるスピードだからといって、必ずしもCD-Rドライブもそうなるとは限りません。

 そしてCD-Rに対するもう一つの関心事は長時間化でしょう。

 具体的には80分化ですが、このことについてはFAQsで説明します。