Yellow BookからGreen Book、そしてXAへ

 ところで、Yellow Bookのヘッダには「分・秒・フレーム」のブロックアドレスのほかに、Mode 1(データ)かMode 2(オーディオもしくはビデオ)かのどちらかの識別コードも含まれています。

 データのみ、あるいはオーディオだけ、であればこの識別コードは十分に機能するのですが、実はYellow Bookの約束事として、同じディスク内のトラックに異なるModeは混在してはならない、ということがあります。つまり、データとオーディオ/ビデオデータは同じトラック内に混在してはならないのです。こういう決まりごとがあると、いわゆるマルチメディアコンテンツはつくれないことになってしまいます。

 そこで、このオーディオ/ビデオ向けのCD-ROMフォーマット、とも言っていい「Yellow Book Mode 2」は二つに分割されることになりました。それがForm 1 およびForm 2で、つまり、「Yellow Book Mode 2 Form 1」と「Yellow Book Mode 2 Form 2」というふうになりました。要は、Modeを変更せず、Mode 2のまま、データとオーディオ/ビデオデータを混在できる規格ということになります。

 具体的には、同期・ヘッダにつづいて8バイトの「サブヘッダ」を設定し、ここにFormを指定します。Yellow Book Mode 1の予備データエリアを見ると使っていない8バイトがあり、これをサブヘッダに充当するのです。このサブヘッダには音と映像とを同期を取って再生できる機能が組み込まれている点が大きな特徴でしょう。

 そしてMode 1と同じように、EDCとECCを付加したものを「Yellow Book Mode 2 Form 1」(ユーザデータは2048バイト。Mode1と同じです)、そうでないもの(EDCは付加されています)を「Yellow Book Mode 2 Form 2」(ユーザデータ2324バイト)と称しています。

 ――Yellow Bookは以上のように定められたのですが、「Mode 2 Form 2」 は少しユニークな変遷をたどり、まずCPU(モトローラのMC68000系)とOS(リアルタイムOS、OS-9)を規定したGreen Bookというかたちにまとめられました。これがCD-I(CD-Interactive)です。

 が、CPUとOSが決まっているとPC上では使えませんから、そこでその部分の制限をはずした規格が新たに策定され、CD-ROM XA(eXtended Architecture)と呼ばれています。よく、Yellow Book Mode 2 Form 2とCD-ROM XAは同じであると言われるのはこのような背景によるものです。  以上が、主要なCDファミリーの大まかな流れです。CD-DAが進化をつづけているのはすでに述べたとおり。また、下図「CDの樹」のようにCD-ROM XAからも、いくつかの「枝」(フォーマット)が生み出されることになりました。

系譜