Red BookからYellow Bookへ

 当初Red Book=CD-DAは、言うまでもなく、LPレコードに代わるオーディオディスクとして考えられていました。

 正確に言うと、CDとは、最初に家庭用VTRを応用したデジタルオーディオテープレコーダがあり、その信号を収める場所としてビデオディスクが応用され、そのビデオディスクが転じてオーディオ専用ディスクになった――という経緯があるのですが、どちらにせよ、CDはオーディオプリレコーデッドディスクとして誕生したことには変わりありません。

 とはいえ、CDの本質が、DAD(Digital Audio Disc)ではなくてDDD(Digital Data Disc)であることはRed Bookが規格された時点ですでに明確でしたから、すぐにCDをコンピュータの大容量専用メモリに応用するための規格づくりがスタートしました。オーディオおよびCDの「根」である規格書のことをRed Bookと呼ぶことにちなみ、このCD-ROMの規格書にはYellow Bookという名称が与えられています。

 オーディオディスクをコンピュータのメモリに転用しようとするとき、いちばん問題になるのがエラー訂正です。

 オーディオやビデオ信号の場合、CIRCでも十分で、また補完という手段もあるため、どちらかと言うとエラー訂正は比較的ゆるやかなものになっていますが、コンピュータのデータでは補完などはもってのほか――どころか、1ビットたりとも誤りは許されませんから、コンピュータのデータを扱えるようにするにはより強力なエラー検出と訂正の仕組みが必要です。そこで、CIRCに加えYellow Bookに組み込まれたのがEDC(Error Detection Code=エラー検出コード)とECC(Error Correction Code=エラー訂正コード)と呼ばれるものです。

 ここではEDCとECCの詳細は割愛します。EDCはチェックサムのようなもので、エラーの有無をチェックし、もしもエラーが見つかれば、ECCにある訂正コードを利用してコレクションします。

 両者の効果は、ランダムエラーのビット誤り率が、CIRCだけのときよりも1000倍ほど向上します。このレベルこそが、コンピュータのデータを扱うYellow Book=CD-ROMに望まれる性能であり、当たり前の話ですが、あなたがいまお使いのCD-R/RWドライブにもCIRCとEDC/ECCが搭載されています。CD-RやCD-RWコンテンツを作成するとき(データを書き込むとき)、自動的にそのデータは強力な誤り訂正も組み込まれるようになっているのです。