Orange Bookと記録方式
 「CDの系譜」では、便宜的にCDファミリーを「オーディオ系」「CD-ROM系」「Orange Book(書き込み)系」の三つに分類しましたが、本節では、このOrange BookとCDファミリーの位置づけと、Orange Bookに定められている記録方式について説明することにします。

 Orange Bookの第一の役割は、“CDファミリーの再定義”ということです。

 前節でプレス型のディスクの「根」がRed Bookであることはすでに説明しているとおりです。Red Bookはポリカーボネートとアルミ反射層というCDの「根」であり、その物理特性をベースに拡張されていったものがCD-ROMなのですから、ポリカーボネート基板、有機色素、銀(もしくは金)の反射層と、CDとは、物理特性もディスクの構造も異なる書き込み系のCDファミリーにおいても、最初にそういった「根」を定義づけしておかなければなりません。そこでCD-Rの規格を定めたOrange Book Part IIには、Red Book、Yellow Book、CD-ROM XA、などが改めて定義され直しています。

 これが“再定義”の意味です。ですから、Orange Book PartII対応のメディア(CD-R)に、Orange Bookの規格どおりにデータを記録してやれば、そこに刻み込まれた信号は、Red BookやYellow Bookとフルコンパチブルとなります。

 以上は、CD-Rの規格書であるOrange Book PartIIでの話です。一方、CD-RWを定めたPartIIIに関して言うと、“再定義”に関してはPart IIをそのまま踏襲しているものの、新たに「書き換え」が定義されたことによって、Red Book以来の互換性を多少犠牲にしつつ、CD-RW独自の拡張が施されています。この点はPart IIIのユニークなところです。